コラム〜編集日記〜

第2回


いかがお過ごしでしょうか?


このたび『回想のグルジェフ──ある弟子の手記』(C.S.ノット著、古川順弘訳)が刊行されましたので、お知らせいたします。


グルジェフ自身の著作および関連本は1980年代から1990年代始めまで各社から刊行されていましたが、その後10年近くのブランクがありましたので、今回は久々の紹介ということになります。グルジェフ・ウスペンスキーの熱心なファンの集まりである「ウスペンスキー掲示板」でも早速取り上げてくれ、その主導者的存在の一人である若手ミステリー作家小森健太朗さんもグルジェフ紹介書として一級品であると、高く評価してくれています。


また、「ブッククラブ回」でも最近のニュースレター(Winter2002 Vol:047)の「Meetings with Remarkable People」という人物評欄でグルジェフを取り上げ、今回の『回想のグルジェフ』を紹介してくれています。同時多発テロ以後の先の見えない世界情勢の中で、もう一度グルジェフ見直しの気運が高まりつつあるのかもしれません。


興味のある方はブッククラブ回のホームページ(http://bookclub.kai.co.jp/)および「ウスペンスキー掲示板」(小社刊のウスペンスキー著『ターシャム・オルガヌム』の訳者高橋弘泰さんが主宰)のホームページ (http://homepage1.nifty.com/pdo/)をのぞいてみてください。また、ついでに小森健太朗さんのホームページ(http://homepage2.nifty.com/kkomori/)もなかなか充実していますので、ぜひ御覧になるとよいでしょう。なお、これらは「ウスペンスキー」や「グルジェフ」を検索すればすぐ出てきます。


また、少々遅れましたがケン・ウィルバーの『〈ワン・テイスト〉──ケン・ウィルバーの日記・上』が3月初旬に刊行されます。彼によって書かれたもののうちではおそらく最もサービス精神にあふれた面白い本なのではないかと思います。上巻には1〜7月までを収録しました。


グルジェフ的に言えば、この本を読むと、これまではウィルバーの活動は圧倒的に「知性センター」の活動に偏っていたのですが、最近の彼の言動からは「感情センター」の働きがかなり活発になっていることが伺われます。とりわけ、現在五十歳の彼の二番目の妻となった二まわり近く年下のマルシという女性のことなど、プライベートな生活の一旦までみずから明らかにするなど、これまでの著作からは伺い知れなかった彼の一面を知ることもできます。引き続き下巻の刊行をめざして準備中です。


また、『神との対話』の著者ニール・ドナルド・ウォルシュが絶賛した『平和への勇気──家庭から始まる平和建設への道』(ルイーズ・ダイヤモンド著)は予定より少し遅れますが、3月中には刊行する予定です。


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なお、ウスペンスキーの名著『新しい宇宙像』の完訳版の刊行をスケジュールに入れることにしました。これは全部で800ページほどの大著ですが、バラエティーに富んだ秘教(エソテリシズム)の本格的研究書です。以前『超宇宙論』として工作舎から抄訳が出ているのですが、原書からかけ離れたものということで、熱心な読者から全訳が待望されていたといういわくつきの本です。訳者はウスペンスキー紹介に情熱を注いでいる高橋弘泰さん(小社刊『ターシャム・オルガヌム』の訳者)です。


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最後に、『二つの世界を生きて──一精神科医の心霊的自叙伝』に対して一読者(女性、美術科教師)が次のような感想を送ってくれましたので、ご紹介させていただきます。


久しぶりに読みごたえのある書物に出会った。著者の名を見ずに本書を購入し、後でガーダム博士と知った時は驚いた。カタリズムに関心があるからである。強引に口を封ずれば石も叫ぶ。人は生まれかわって事実を告げる。私自身はキリスト教徒であるが、筆者の誠実さを受け入れ、真実が語られている本であると断言できる。宗教も国家もこの世で力を持った時、よくよくの自制と謙虚さが必要である。ニューヨーク自爆テロの写真に悪魔の顔があぶり出されていると一部で騒がれたが、訳者の書くように特殊な悪の磁場が空中に作り出されたとみても何の不思議もない。
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