コラム〜編集日記〜

第13回


「継続は力なり」と言いますが、ホームページも最初のうちは意気込んでいるものの、徐々に気力がめげてきて段々と尻すぼみになることが多いようです。今年ももうわずかですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?


編集者は、先月、長年仕事を一緒にしてきた従兄弟が突然心不全で倒れ、そのため激務のうちに1ヶ月を過ごしました。そんな事情もあって今月は新刊は出せませんでしたが、来年にはいろいろ出す予定です。


(1)『カール・ロジャーズ』(イギリス・ロジャーズ派の重鎮ブライアン・ソーン著/諸富祥彦監訳/上嶋洋一ほか訳)


これは、何度か予告しましたが、とうとう翻訳の残りが近々完了するため、遅くとも2月には出せそうです。 「カウンセリングの神様」カール・ロジャーズの生涯と理論、そのカウンセリングの実際まで、この1冊ですべてがわかる入門書。 同時に、ロジャーズのカウンセリングにおけるスピリチュアルな側面にはじめて正面から光を当て、ロジャーズ・ルネッサンスを巻き起こす問題の書でもある。 畠瀬稔氏のインタビューも掲載。カウンセリングを学ぶすべての人に捧げる必読の書!


(2)『グルジェフを求めて』(W・P・パターソン著/古川順弘訳)


これは、イチャーソをはじめとする性格エニアグラムの提唱者、グルジェフ主義を標榜する〈友愛団〉を率いるロバート・バートン、そして、グルジェフの思想を剽窃し、それを東方正教と強引に結び付けようとしたムラヴィエフの、三者について論じ、それぞれがグルジェフの教えを歪曲したものであることを論証したものです。とりわけ、日本でも少なからず反響を呼ぶかもしれない、性格エニアグラムに対する批判を含んだ話題性のある書で、グルジェフ/ウスペンスキーファンの必読書です。1〜2月に刊行予定です。


(3)『ヨブ記』(鏡リュウジ解説/青木聡訳)


これはトマス・ムーアの「序文」が付されたきわめて興味深い本で、心理占星術研究家としてあまりにも有名な鏡さんが青木さんと話し合って選んでくれたものです。有名な「ヨブ記」が現代人にとって持つ意義を、ムーアが拡張高く、かつ、わかりやすく解説してくれており、多くの方々に読んでいただきたいと思っています。3〜4月刊行予定。


(4)『気とオーラの論理学・虚実補瀉論──真気の入れ方と邪気の抜き方について』(本宮輝薫著)


これは前に予告したもので、著者の本宮さんはトランスパーソナル学会常任理事で、「気」についての科学的アプローチに基づいた画期的な解説書です。本書は、とりわけ、とかく軽視されがちな治療者あるいは施術者自身の健康への配慮を重視している点で、きわめて重要な意義を持っていると思われますので、関係者の方々にぜひお読みいただきたいと思っています。3〜4月刊行予定。


第1部 予備的考察:東洋医学的病因論
●病気発生のメカニズム−−東洋医学的見地から●虚実補瀉についての一般的説明と疑問●癒しの原理−−基本的生命観


第2部 新しい気の技法と考え方:虚実についての新しい考え方
●補瀉についての新しい考え方●新たな診断法について●実際の補瀉のやり方●気についての誤解と理解


(5)『白い炎−−クリシュナムルティ初期トーク集』(大野編訳)


これは、これまであまり紹介されることのなかったクリシュナムルティの初期のトークをいくつか選んで紹介し、あわせて「クリシュナムルティの言葉」を付録とし、さらにクリシュナムルティを生んだインドと彼の関係を改めて考えるべく、やや長い「あとがき」を付けたものです。春頃までに刊行できればと考えています。


初期トーク:〈世界教師〉の意味●思想とその伝わり方●個性の価値●霊性──人 生の正しい基礎●統合的人間像●白い炎●奉仕の精神●〈星の教団〉の目的●消去の 過程●凡庸と非凡●インドにおける新しい教育の可能性●調和した生をめざして●永 遠なるものの中に生きよ●たゆみなき探求の精神


付録:クリシュナムルティの言葉 クリシュナムルティとインド──あとがきに代えて



それでは皆様どうか良いお年をお迎えください。
© www.kosmos-lby.com