コラム〜編集日記〜

第26回


いかがお過ごしでしょうか? 前回は『未来を開く教育者たち』『フォーカシング・ニューマニュアル--フォーカシングを学ぶ人とコンパニオンのために』の刊行に続き『人生をどう生きますか?』の刊行予定とお知らせいたしましたが、予定どおり10月18日に全国配本にこぎつけました。


それから"Letters to a Young Friend: Happy is the Man Who is Nothing"刊行予定についてお知らせしましたが、これは『しなやかに生きるために--若い女性への手紙』としてこのたび刊行いたしました。


元々はププル・ジャヤカール著『クリシュナムルティ伝』の第23章を構成していたものが、独立した単行本として出版されたものです。収録された一連の手紙は、実はジャヤカールの妹のナンディーニに宛てられたもので、ある事情で心身ともに疲れていたとき、それを癒すかのようにクリシュナムルティが大いなる思いを込めて書き送ったものです。彼の他の著書にはない独特の味わいがあり、以前読んだときぜひ紹介したいと思っていたものです。手紙の背景を知ってもらうため、かなり詳しい「解説」をつけましたのでご覧ください。(このページの下からPDFファイルにてダウンロードできます)


なお、今回のカバー(表紙)の背景として、古代インドの細密画をあしらってもらいました。これは、インド人に人気のあるクリシュナ神と彼を慕う牧女ラーダが丘の前で見つめ合っている光景を描いたものです。今回はその両者のかわりに、1950年(55歳)当時のクリシュナムルティの写真を配してみました。今回の書簡集の内容にふさわしく、いかにも慈悲深げな微笑みを浮かべています。彼は多くのインド人女性にとって、まさに現代に蘇ったクリシュナ神として映じたに違いありません。いうなれば彼は、われわれを真の自由へと誘う偉大なる牧人だったのです。


今回訳していて改めて感じたのは、本当に温かい思いを込めて書かれた言葉には読む者の心に訴え、癒す力があるということでした。ジャヤカールは次のように述べています。


これらの手紙は、稀有の慈悲心と明晰さを示している。教えと癒しが溢れ出し、分離と距離が消え失せ、言葉が流れ出る。が、不必要な言葉は一つとしてない。癒しと教えが同時に起こっている。


現在、この書簡集が収録された『クリシュナムルティ伝』の翻訳権を確保すべく問い合わせ中なのですが、今のところ返事がありません。「解説」はその伝記を参照しながらまとめたものですので、お時間がありましたらお読みいただければと思います。


なお、前回に予告した『自己変容から世界変容へ--プロセスワークによる地域変革の試み』(ギャリー・ライス著/田所真生子訳/諸富祥彦監訳・解説)は、11-12月の刊行をめざしています。


最後は"Meeting Life: Writings and Talks on Finding Your Path without Retreating from Society"(邦題未定)ですが、これは大野龍一さんの訳で来年2-3月ごろの刊行をめざしています。伝記『目覚めの時代』『実践の時代』の著者メアリー・ルティエンスが編集した本です。内容はほぼこれまで未紹介のものばかりで、非常に資料価値の高いものです。


以上、前回と一部重複しますが、近況として御報告させていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。



2005年10月27日



● 『しなやかに生きるために--若い女性への手紙』 解説 (PDFファイル 501KB)
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