『人間関係のレッスン』(講談社現代新書)のご案内
人間関係のレッスン この本を書かれたのは、小社から刊行された『わかるカウンセリング』『カウンセラーへの長い旅』の著者、向後善之さんです。いわば“メジャー・デビュー”されたわけですので、小社の読者にもぜひお知らせしたいと思います。
まず、目次をご紹介します。

『人間関係のレッスン』
「つきあいが苦手」は必ず変えられる
第1章:うまくいっていない自分
第2章:なぜうまくいかないのだろうか?
第3章:モラルハラスメントにあったら
第4章:自分の中の隠れた感情に気づこう
第5章:自分を少しずつ変えてみよう
第6章:自分を歪めずに見つめるということ
本書執筆の動機について、向後さんはご自身のツイッターで次のように述べています。
モラルハラスメントがあまりに多いというのが、この本を書いた動機のひとつです。モラハラに負けないではなく、モラハラに勝つことを目的としています。
もうひとつの動機は、あまりに多い「見えない暗黙のルール」に、僕自身うんざりしていて、そうした空気に惑わされずに生きるためにはどうしたらよいかについて、自分なりの考えを書きたいと思ったんです。


後者の「見えない暗黙のルール」というのは、だいぶ以前(1995年)に同じ講談社現代新書として出た、阿部謹也著『「世間」とは何か』を思い出させます。この本の紹介文は、次のようなものです。

日本人の生きてきた枠組「世間」とは何か。古代から現代まで、日本人の生活を支配し、日本の特異性をつくってきた「世間」の本質とは? ヨーロッパの「社会」を追究してきた歴史家の視点で問い直す。古来から、日本人の生き方を支配してきた「世間」という枠組。兼好、西鶴、漱石らが描こうとしたその本質とは。西洋の「社会」と「個人」を追究してきた歴史家の視点から問い直す。

向後さんは、カウンセラーの視点からこの厄介な「世間」の現状を見据えて、それにどう対処して生きていけばいいかを今回の啓発的な本の主要テーマのひとつとして取り上げ、新たな解明の光を投じたと言えます。

最後にご自身が自著について語っていますので、ご紹介しておきます。

今の世の中、人間関係を作っていくのもなかなか大変です。自分の意見を言ったら、「空気を読め」と言われるし、それではというわけで、「空気を読んで謙虚に行動した」と思っていたら、今度は、「君には自分が無いのか」と非難されてしまうなどということが起こり得ます。非常に多くの人達が、大なり小なり、人間関係の悩みをお持ちなのではないかと思います。実際、最近カウンセリングオフィスに来られる方の相談内容で最も多いのが、人間関係の悩みです。彼らの多くは、自分では普通にふるまっていると思っているのに、職場の上司や同僚との関係がどうもうまくいかず、精神的に落ち込んでしまったり、不安になったりしています。
例えば、ついついいい人を演じてしまって、なんでも引き受けてしまう結果になり、身動きが取れなくなる人、ちょっとしたことを決められず、「今日のランチどこに行こうか?」と聞かれても、「どこでもいいよ」と言ってしまうように、自分の意見を言えない人、がんばりすぎて燃え尽きてしまう人、どうせ自分の意見なんか受け入れられないと思って、隠れてしまう人など、人間関係でつまずくパターンがあります。
実は、そうしたパターンの中には、自分を変えていく、つまり、自己成長のためのヒントがあります。「人間関係のレッスン」では、そうしたパターンのいいところを認めながらも、自分の正直な感覚や感情に気づき、自己一致した人間関係を作っていくために書かれました。そのための手法として、トランスパーソナル的なアプローチを中心に紹介しています。
さらに、人間関係を徹底的に破壊してしまう、パワハラやいじめなどのモラルハラスメントについて、そのメカニズムと対処法についても示しています。
ご興味のある方は、お読みいただければ幸いです。そして、お読みいただけないまでも、本屋さんで「人間関係のレッスン」を見つけたら、「あっ、これ、いい本だよね」とわざとらしくでも言っていただけるとうれしいです。
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