数の神話――永遠の円環を巡る英雄の旅』

梅本龍夫[著]

4,725円(税込)

ISBN978-4-434-13153-0 C0011
数の神話――永遠の円環を巡る英雄の旅

「数」の扉を開くと、人類の太古の記憶が、「現代の神話」となって復活する


神話は、「物語」「儀式」「シンボル」の3要素から成る。「物語」とは、共同体、国家、地球、さらには、宇宙全体の成り立ちと意味合いを説明する「元型的な物語」であり、一人ひとりが生きて体験している「小さな物語」を包摂する「最も大きな物語」である。「儀式」とは、この「最も大きな物語」に参入する方法論である。そして、「シンボル」とは、「物語」と「儀式」をひとつにつなぐ象徴的な記号を意味する。「シンボル」によって、「儀式」は内面化され、神話の「物語」は、日常の生活の中で生きて実感するものとなる。 「シンボル」の中で、最も一貫性があり、体系化されたものが、「数」である。この神話的シンボルとしての「数」の法則を図像化したものが、エニアグラムである。今日のエニアグラムは、性格タイプ論(人格論)として隆盛をきわめているが、エニアグラムの根源にあるものは、「数」に秘められた神話的世界観(宇宙論)である。人格論としてのエニアグラムと、宇宙論としてのエニアグラムは、本質的に同一のものである。それゆえに、性格タイプの奥にあるエッセンスを理解し、それを良く生きるとき、神話は、架空の物語であることをやめ、宇宙を満たす無限の創造性そのものとなる。 本書は、「数」を媒体とした宇宙論であると共に、神話の不滅の主人公たる英雄の冒険の旅を語る一大叙事詩でもある。神話学者のジョーゼフ・キャンベルは、英雄神話の基本構造として、「出立」「通過儀礼」「帰還」があることを明らかにした。英雄が巡る神話の円環は、エニアグラムの図そのものである。英雄は、「1」から旅立ち、つぎつぎと通過儀礼に遭遇しながら、「9」までの自然数を経て、再び「1」に戻る。この旅を成就した英雄は、至宝を持ち帰る。それこそが、人類全体が共有できる「現代の神話」の扉を開く、秘蔵の鍵なのである。

「アマゾン」の「神話」のカテゴリーで8位!(7月7日現在)

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《本書の内容》
■ 第一章 1の神話「完全」 ■ 第二章 2の神話「相対」 ■ 第三章 3の神話「発展」
■ 第四章 4の神話「安定」 ■ 第五章 5の神話「進化」 ■ 第六章 6の神話「調和」
■ 第七章 7の神話「超越」 ■ 第八章 8の神話「秩序」 ■ 第九章 9の神話「完成」

数の哲学的・象徴的意味を理解するということは、多くの伝統において太古の時代からあったものである。宇宙そのものが構造や秩序をもち、把握可能なものであるという考え方の根底にはそうした理解がある。現代物理学や数学、立体幾何学、哲学といったものはそれぞれ、数の根本的性質というものを、「存在」の多様な形態の基盤として認めている。心理学(とくにエニアグラムのような性格タイプ論)においてすら、数の役割というものを、人間の心の構造を表現するものとして認めている。
『数の神話』は、このような奥深いテーマの理解に、価値ある貢献をなす書である。

 ドン・リチャード・リソ&ラス・ハドソン(『エニアグラム――あなたを知る9つのタイプ』(角川書店)共著者)


■著者紹介:梅本龍夫(うめもと・たつお)
1956年、東京に生まれる。慶応義塾大学経済学部卒。
日本電信電話公社(現NTT)入社。在外研究員として米国留学、スタンフォード大学ビジネススクールにて経営学修士(MBA)を取得。卒業後、ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン・インコーポレイテッドに転じ、経営コンサルティングに従事。その後、シュローダー・ビーティーヴィ・パートナーズ株式会社でのベンチャー投資コンサルティング活動を経て、株式会社サザビー(現サザビーリーグ)取締役経営企画室長に就任。同社合弁事業のスターバックス・コーヒー・ジャパン株式会社の立ち上げプロジェクトの総責任者。チーフ・プランニング・オフィサー(CPO)として、サザビーリーグの経営機構を改革。組織の健全な成長を求めて、種々の手法や理論を探求する中で、エニアグラムに出会う。エニアグラムの背景にある知の体系に触発され、本書執筆を決意。「現代の神話」を編集し、さまざまな分野の創造的活動に活かしていくことをテーマとして掲げる。現在、有限会社アイグラム代表取締役。

読者の声
  • 重厚にして壮大な宇宙の神秘と論理の展開。

    −−−H・Aさん(熊本市)

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