第25回

いかがお過ごしでしょうか？　前回は新コラム「読書雑記」のご案内をするに留めました。これははささやかな雑記ですが、多少なりとも読書案内として参考にしていただければ幸いです。

さて、前々回（23回）に予告していなかったものとして『未来を開く教育者たち』を９月２９日に全国配本いたしました。これいついては、５月に刊行した『クリシュナムルティとは誰だったのか--その内面のミステリー』の「解題」の最後で次のように予告いたしました。

最後に、邦訳にあたって参考として必要なブラヴァツキー夫人の『シークレット・ドクトリン』他数冊の訳書を快くお貸しくださった、神智学協会ニッポンロッジの高橋直継会長にこの場を借りて謝意を表させていただきます。昨年秋に開催された『神智学と教育』連続講座の一つ「クリシュナムルティの思想と教育」（講師 大妻女子大学助教授　金田卓也氏）に招かれ、そこでお会いする機会に恵まれたこと、それから間もなく同協会と密接な関係のある本書と出会ったこと、さらにはこの連続講座での発表を踏まえて各講師が新たに書き下ろしたものを一冊にまとめた本を小社（コスモス・ライブラリー）から年内に委託出版することに決まったことなど、そこに単なる偶然以上の因縁を感じています。

また、前々回では刊行準備中とお知らせした『フォーカシングとともに（３）--心理療法・瞑想・奇跡』（ニール・フリードマン著／日笠摩子訳）ですが、これは予定どおり７月に刊行いたしました。これで、「（１）体験過程との出会い」および「（２）フォーカシングと心理療法」と合わせて全３巻が完結しました。

それから『改訂版・フォーカシング入門マニュアル』（アン・ワイザー・コーネル著／大澤美枝子ほか訳）も準備中とお知らせしましたが、これは『フォーカシング・ニューマニュアル--フォーカシングを学ぶ人とコンパニオンのために』として、１０月１３日全国配本の予定です。小社としてはＢ５サイズという初の大きな本です。好評発売中の『やさしいフォーカシング』が入門書とすれば、本書はフォーカシングの道をより深く歩みたい方々への懇切丁寧な参考書です。

なお、『やさしいフォーカシング』は邦訳が第７刷まで刊行されていますが、海外でもよく読まれているようで、これまでにドイツ語、オランダ語、スペイン語、ヘブライ語に翻訳されているとのことです。

さらに、クリシュナムルティ関係書の刊行を予告いたしましたが、そのうち"What are You Doing with Your Life-"は、ズバリ『人生をどう生きますか？』（大野龍一訳）としてやはり今月２０日ごろには全国配本の予定です。これは、原書には若者向けと銘打たれていますが、クリシュナムルティの様々な講話や著書から多くのテーマに関する言葉を厳選した優れた「語録」でもあり、彼の深い洞察がびっしり詰め込まれています。邦訳は、『クリシュナムルティとは誰だったのか』の共訳者の大野龍一さんが引き受けてくれました。すでにクリシュナムルティのことをよく知っている読者にも、まだ知らない方々にとっても優れたガイドブックになるのではないかと推察しています。

それから"Letters to a Young Friend: Happy is the Man Who is Nothing"も来月初めに刊行予定です。これは予告どおり『しなやかに生きるために--若い女性への手紙』として刊行いたします。元々はププル・ジャヤカール著『クリシュナムルティ伝』の第２３章を構成していたものが、独立した単行本として出版されたものです。収録された一連の手紙は、実はジャヤカールの妹のナンディーニに宛てられたもので、ある事情で心身ともに疲れていたとき、それを癒すかのようにクリシュナムルティが大いなる思いを込めて書き送ったものです。彼の他の著書にはない独特の味わいがあり、以前読んだときぜひ紹介したいと思っていたものです。手紙の背景を知ってもらうため、次回の編集日記（２６回）でかなり詳しい「解説」をつける予定です。

また、前々回に予告していた『自己変容から世界変容へ--プロセスワークによる地域変革の試み』（ギャリー・ライス著／田所真生子訳／諸富祥彦監訳・解説）については、１１-１２月の刊行をめざしています。

最後は"Meeting Life: Writings and Talks on Finding Your Path without Retreating from Society"（邦題未定）で、伝記『目覚めの時代』『実践の時代』の著者メアリー・ルティエンスが編集した本です。内容はほぼこれまで未紹介のものばかりで、非常に資料価値の高いものです。

以上、前々回と一部重複しますが、近況として御報告させていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。

２００５年１０月７日